ソフトバンク、メルカリ、楽天「そろって赤字」が示す、ヤバい気配

「真っ赤っかの大赤字」のウラ側
加谷 珪一 プロフィール

有力なネット企業3社が揃って赤字という状況だが、ソフトバンクと楽天の赤字は図式としてはよく似ている。基本的に投資した企業の減損によるものであり、損失の発生によってキャッシュアウトが発生しているわけではない。

ただ、ソフトバンクの場合には、投資そのものが本業となりつつあり、投資先各社の高い時価総額が維持されないと、全体の資金調達もままならなくなる。その意味では、巨額損失は今回限りにしないと、市場からの評価が逆回転を始める可能性もあるだろう。同社は、通信会社から世界でも指折りの投資会社に変貌したが、投資ビジネスにおける最初の関門といってよい。

 

一方、メルカリは本業では圧倒的な高収益を実現しているが、メルペイ事業で多額のキャッシュアウトが発生している。この範囲にキャッシュの流出をとどめておけば、経営全体への影響は小さいが、それでは今後の成長シナリオが描けなくなる。

ソフトバンクの投資先であるウィー社の上場延期とメルカリの苦戦、そして楽天が投資するリフト社の株価下落はそれぞれ別の事象であり、個別の解決策が求められている。

ただ、ネット企業に対する市場全体のポジティブな評価がそろそろ限界に達しており、3社の業績悪化はすべて水面下でつながっている可能性もある。そうなのだとすると、ネット企業に対する投資は、警戒が必要なフェーズに入ったのかもしれない。

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