ソフトバンク、メルカリ、楽天「そろって赤字」が示す、ヤバい気配

「真っ赤っかの大赤字」のウラ側
加谷 珪一 プロフィール

本業は好調だが、成長シナリオを描けないメルカリ

一方、同じ時期にフリマアプリのメルカリも赤字幅を拡大している。同社の2019年7~9月期決算は、売上高が前年同期比37.9%増の145億円、営業損益は70億円の赤字となり、赤字幅が拡大した。スマホ決済サービスのメルペイ事業において、多額のポイントを付与するキャンペーンを行ったことがコストを増大させた。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

全体の決算は赤字だが、メルカリの主力事業であるフリマのビジネスモデルは基本的に高収益といってよい。

同社の売上高は、中古品を出品する利用者から徴収する10%の手数料がベースになっている。人件費の一部などが売上原価に計上されるものの、基本的には売上高がそのまま利益になると考えてよく、流通総額が増えればその分だけ同社の利益も増える。最終的な利益を決定するのは、人件費や広告宣伝費といった販売管理費の大きさである。

メルカリの流通総額は前年同期比28%増となっており、その分だけ売上高と粗利益は増えたものの、利用者数がこのところ伸び悩んでおり、従来の成長スピードを維持するのが難しくなっている。当初は海外事業を今後の主力と位置付けていたが、海外事業は事実上、失敗しており、今のところ成長の原動力にはなりにくい。

同社があらたな成長の柱として位置付けているのがスマホ決済サービスのメルペイである。しかしながら、この市場は先行投資が大きく、なかなか利益に結びつかないという特長がある。

スマホ決済では、ソフトバンクグループのPayPay(ペイペイ)が先行しており、よく知られているようにPayPayは「100億円相当あげちゃうキャンペーン」など、巨額の先行投資を次々に行っている。この金額をメルカリが投入するのは難しく、黒字化の道筋を付けるのは容易ではない。

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