ラグビー日本代表を8強に押し上げた「外国出身選手」その熱く優しき心

日本の夢は、俺たちの夢だから
週刊現代 プロフィール

もうひとりの主将

今大会、後述するリーチ マイケルを「もうひとりの主将」として支えたのがピーター・ラブスカフニ(30歳)だ。身長189cm、105kg。フランカーを担い、時には相手を掴み上げ、鋭いタックルで膝下に突き刺さる姿は「猛獣」そのものだ。

だが、素顔は「日本人よりも紳士、律儀」だと関係者は口をそろえる。仲間が放置したままのペットボトルやトレーニング用具を、ラブスカフニは愚痴のひとつも言わず片付ける、そんな男だ。

ラブスカフニ(右、Photo by GettyImages)

'15年度まで、ラブスカフニは南アフリカのスーパーラグビー・ブルズに所属していた。母国を破った前回大会のジャパンに刺激を受け、来日を決意する。

現在ラブスカフニが所属するのはクボタスピアーズ。ヘッドコーチのフラン・ルディケは、ブルズ時代から彼の指導に当たっていた。

「南アフリカ代表では出場機会がありませんでした。ラピース(ラブスカフニの愛称)は親切で真面目、謙虚で規律を重んじる日本だからこそ、チームに溶け込むことができた。

言葉の壁にはまだぶつかっていますが、ラピースはずっと日本にいたいと思っています」

3年以上の連続居住期間を経て、今大会の代表入りに「間に合った」。ラグビーライターの向風見也氏は、W杯でのエピソードをこう語る。

「ラブスカフニが、記者会見を終えて、通訳の人に『ありがとう』と言って、強く握手をして帰ったことがありました。誠実な人柄がにじみます」

「律儀すぎる」男は、日本代表に新鮮な刺激をもたらしている。