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ラグビー日本代表を8強に押し上げた「外国出身選手」その熱く優しき心

日本の夢は、俺たちの夢だから

優しき大男たち

代表入りに国籍は問わない。ラグビー独特の門戸の広さである。骨格や肌の色が違っても、赤白のジャージーに袖を通し、日本の勝利を一心に願い、身体を張った男たちがチームを次のステージに押し上げた。

その一人が、ラファエレ ティモシー(28歳)である。アイルランド戦、スコットランド戦の両試合で福岡のトライをアシスト。劇的な得点シーンには必ずラファエレが絡んだ。

ラファエレ(Photo by gettyimages)

サモア生まれ、ニュージーランド育ち。デラセラカレッジ時代に、山梨学院大学の誘いを受ける。そこに出向いたのが、同大ラグビー部前監督の吉田浩二氏だ。

「ニュージーランドのラグビーをチームに浸透させて欲しいと思いました。来日当時、日本語はまったく喋れません。

でも彼は真面目で、大学以外にも日本語学校に通ったり、ラグビー部OBがやっている喫茶店に出入りして、必死に学んでいました」

 

はじめて覚えた日本語のひとつは「きつい」。ハードワークで有名な山梨学院大ならではの一言だ。

「日本の社会人チームに入りたい」。学生代表などには選ばれなかったが、大学1年生の頃からその思いは強かった。

「普段はシャイな性格で、強い選手と当たる試合前には『僕はあの選手に勝てる気がしないけど、どうすればいいか』なんて謙虚な相談をしてくることもあった。でも、グラウンドに出ると一変し、攻撃的なラグビーを好みます」(山梨学院大学ラグビー部監督の梶原宏之氏)

'16年に日本代表として初出場、'17年に日本へ帰化した。「子供の頃はサモア代表入りを夢見た」と言うラファエレ。母国の家族も観戦したサモア戦前には「いつもと同じ準備をしたい」と平静を貫いた。38-19、初トライを決めたのは彼だ。

「家族にとって特別な試合だった。もちろん家族は日本を応援していた」