11月15日 伊豆大島の三原山が大噴火(1986年)

科学 今日はこんな日

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1986年のこの日、伊豆半島の南東約25kmに位置する伊豆大島の三原山で、大きな噴火が始まりました。

【写真】伊豆大島伊豆大島 photo by gettyimages

この年の7月から観測されはじめた微弱な地震が、8月から11月にかけて21回の有感地震を含む規模に大きくなってきました。そして11月12日、南側火口壁で噴気が認められ、15日17時25分ごろ三原山の火孔南壁で噴火が始まりました。やがて深さ約230m、直径約300mの火孔が噴出物で一杯となり、19日10時35分ごろ火口の北西縁を越え、溶岩流となってカルデラ床まで流れ下りました。

11月21日には、火口やカルデラの底面のほか、山の側面の割れ目(B火口列、C火口列)からも噴火が始まりました。溶岩流が集落に迫り、強い揺れが連続したため、島民のほぼ全数となる約1万人が、 島外に避難することになりました。

【写真】噴煙と光る溶岩噴煙を上げる三原山(左)と噴出する溶岩 photos by Kodansha Photo Archives

209年ぶりの大噴火で、噴出物の総量は推定約6000万〜8000万トン、噴煙は高度1万6000mに達しました。

三原山は古くから噴火を繰り返してきた火山であり、「御神火(ごじんか)」と呼ばれ信仰の対象にもなってきました。約1500~1700年前の数回の大噴火によってカルデラが形成され、150~200年の間隔で大きな規模の噴火を繰り返してきました。三原山は、安永の大噴火(1777~1792年)で形成された中央火口丘(内輪山)です。

また、島の南東部にある波浮港は、もともとは9世紀中ころの噴火で発生したマグマ水蒸気爆発(マグマと海水が接触しておこる爆発)によって作られた火口湖が、元禄16年(1703年)の元禄地震で発生した津波により海とつながって海水が浸入するようになり、さらに江戸時代末期の1800年に人工的に湾口を拡げて港としたものです。

中央の火口は、1年後の1987年11月にも噴火し、竪穴状火孔を満たしていた溶岩の破片が周辺に飛散って30mもの陥没がおこり、直径350~400m、深さ約150mの新たな竪穴状火孔が形成されました。

【写真】三原山の火口
【写真】火口近景三原山の火口 photos by gettyimages

この噴火の約30年前、1957年にも三原山では噴火が起こっていました。噴火そのものは小規模とされていますが、火山弾によに死亡1名、怪我53名という被害が発生しており、このときの教訓が、素早い避難指示の発令につながったとされています。