「暗号資産」による政治献金、本当に「合法」で大丈夫なのか?

海外ではこうなっている
蒔田 純 プロフィール

しかし、暗号資産の場合、誰が送金したのかを完全な形で追跡することが技術的に難しいため、透明性という点で問題が出てこざるを得ないのである。このため、上に挙げた、暗号資産による政治献金を認めている国・地域でも、寄付者の属性に関する基礎情報を当局に報告し、それを一般に公表することを条件としている場合が殆どである。

また、相場の変動の激しさも問題点として指摘されている。例えば、2017年の年始には11万円台だった1ビットコインの価格が同年の年末には200万円台となったことに象徴的なように、相場によっては、受領した政治家が結果として過度な利益を得る可能性が出てくるのである。

上に挙げた暗号資産による政治献金を認めている国・地域でも、透明性の担保と併せてこの点を重視し、暗号資産を受領した時点の市場相場の記録とそれ以降に得た利益の報告を求めたり、決済手段として使用する際は当該国の法定通貨への変換を義務付けたり、法定通貨のその時点での価値で受領できる金額に上限を設けたり、といった措置が採られていることが多い。

〔PHOTO〕iStock
 

更には、定義上の問題もある。例えば、韓国では、政治資金法(Political Fund Act) によって、政治献金は金銭あるいは金銭価値を持つものでなければならないと定められており、一方で銀行法(Korean Banking Act) では暗号資産は金銭価値を持つものとされていないため、暗号資産による政治献金は認められていない。

またチェコでは、政治献金として用いることができるのは、チェコ国立銀行に登録された銀行口座に存在する資金のみであり、チェコ国立銀行の銀行口座には暗号資産を入れることができないため、暗号資産は政治献金に用いることができないと解釈されている。

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