「暗号資産」による政治献金、本当に「合法」で大丈夫なのか?

海外ではこうなっている
蒔田 純 プロフィール

米国以外でも、カナダでは本年10月の総選挙に向けて議論が開始され、本年3月に選挙管理当局は、一定額を超える寄付についての寄付者の氏名・住所等の報告を義務付けた上で、暗号資産による献金を認めた(Elections Canada: Interpretation Note 2018-10)。

また、ノルウェーの当局は筆者の問い合わせに対して、政治資金を扱う政党法(Norwegian Political Party Act) が献金として認めている「資産」に暗号資産は該当すると考えられるため、暗号資産による献金は合法である旨回答している。

これらの国・地域では、暗号資産による政治献金を実際に受領する政治家が現れたり、またその可否に関する政治家からの問い合わせが来たりと、社会からの直接的な要請に応える必要性に迫られて、いわば現実の動きに法制度やその運用を合わせる形で、それを認めるという公式の判断が為された場合が多い。

暗号資産による決済や投資を頻繁に行うのは、比較的若くて進取的な思考の持ち主が多く、そのような層が暗号資産を通じて気軽に献金し、政治に参加し得る環境をつくることは、民主主義における多様性の裾野を広げることにつながるのだという考え方が根底にあるものと考えられる。

〔PHOTO〕iStock
 

献金を「認めない」事例とその理由

一方で、現時点で暗号資産による政治献金を認めていない国・地域もある。米国でも、カリフォルニア州・サウスカロライナ州・ノースカロライナ州等は既に公式にその旨を公表しているし、筆者の問い合わせに対して非公式ながらメリーランド州も、それを認めていない旨の回答を寄せている。また、韓国・チェコの選挙管理当局からも、現時点では法的に認められていないとの回答を得ている。

暗号資産による政治献金を認めない理由として最も大きいのは、透明性の問題である。政治資金には公正・公平であることが求められ、それを担保するためには、氏名・年齢・住所・職業等、寄付を行う者の属性が明らかであるという最低限の透明性が確保されていなければならない。

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