〔PHOTO〕iStock

「暗号資産」による政治献金、本当に「合法」で大丈夫なのか?

海外ではこうなっている

総務省は「合法」としたが…

今年10月初旬、「暗号資産(仮想通貨)」を使った政治家個人への献金が合法であるとの見解を総務省がまとめた。本当にそのように認めてしまって問題はないのだろうか。ここでは、海外事例を踏まえた日本におけるこの問題の今後の展開について私見を述べたい。

まず、発表の内容をおさらいしよう。

現在、企業や個人からの政治家個人への「金銭・有価証券」による寄付は政治資金規正法により禁じられている。しかし総務省によれば、暗号資産は金銭にも有価証券にも当たらず、暗号資産を政治家個人に寄付しても同法違反にはならないと判断した、という内容である。

高市早苗総務大臣は10月8日の記者会見で改めてこの認識を明らかにした上で、これに対する法規制については、新たに政治家の政治活動に制限を加えることになるため、各党各会派で議論する問題であると述べた。

〔PHOTO〕iStock
 

献金を「認める」海外の事例

暗号資産による政治献金を認めるか否かは、海外では、一部の国・地域で大きな議論となっており、そのうちのいくつかでは、すでに一定の結論が得られている。なお詳しくは後述するが、以下の海外の事例で献金の受領者として設定されているのは、すべて「支援団体」などであり、政治家個人ではないことに注意しておいてほしい。

米国では2014年5月に連邦選挙管理委員会(Federal Election Commission: FEC)が指針を発表し、候補者の「支援団体等」はビットコイン等の暗号資産を政治献金として受け取ることができるとした。

しかし、これはあくまで法的拘束力のない指針であり、実際の寄付の可否は各州の判断に委ねられている

現在のところ、暗号資産による政治献金の受領を文章等で公式に認めているのは、コロラド州・モンタナ州・マサチューセッツ州・ワシントンDC等であり、またこの他、非公式ながら、筆者の問い合わせに対して、イリノイ州・インディアナ州・オハイオ州・ワシントン州等の選挙管理当局が、それぞれの州において暗号資産による政治献金の受領は禁じられていない旨回答している。