11月20日 多摩動物公園にコアラが公開(1984年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1984年のこの日、東京都日野市の多摩動物公園で、コアラがはじめて一般に公開されました。当時は“珍獣”として、大きな話題になりました。

【写真】多摩動物園に贈られることになったコアラ
多摩動物公園に来ることになった2匹のコアラ。譲渡前のタロンガ動物園で photo by gettyimages

公開されたコアラは、この年の10月25日にオーストラリアのタロンガ動物園から贈られて日本に到着した6頭のうちの2頭。残りの4頭は、名古屋市東山動物園と鹿児島市平川動物園で、それぞれ2頭ずつ飼育が開始されました。

 

コアラは双前歯目コアラ科の有袋類で、体長60~80cm、体重4~15kgで、体重にに幅があるのは、雄が雌の1.5倍ほどあるからだそうです。雌の育児嚢のなかに乳首があります。ユーカリ林にのみ生息し、ユーカリ約600種のうち、わずか35種の葉や芽しか食べないため、動物園で飼育する際にはエサ代が悩みのタネになることが多いのだとか。

【写真】野生のコアラ
野生のコアラ photo by iStock

盲腸が哺乳類で最も長く、体長の約3倍の2.4mもあります。ヒトの盲腸は、リンパ節が多数集まるものの大腸のはじまりとして5cmほどですぐに上行結腸に移行していますが、草食動物では微生物の力を借りてセルロースを消化分解する重要な機能を持ち、多くの場合サイズも大きくなっています。

コアラの場合は、腸自体の長さもさることながら、盲腸の長さがとくに長いのは、盲腸内の細菌叢によって、ユーカリをはじめとした低栄養の植物を無駄なく消化できるよう、その機能が高まっているのだそうです。

コアラの飼育動物園は、その後増え、前述の鹿児島市平川動物園では飼育下繁殖にも成功しました。2019年夏ころに、大阪・天王寺動物園のコアラが英国の動物園に貸し出されることが話題になりましたが、餌の入手難・高価格が影響し、飼育動物園は減っている傾向にあるそうです。

そうした逆風はあるものの、多摩動物公園でのコアラ飼育は2019年で35周年。園では、それを記念したイベントなども催されるそうです。