2019.11.16

現役最強馬アーモンドアイは「歴代最強馬」になりうるのか?

取材歴37年 ベテラン競馬記者の見方
有吉 正徳
 

競走馬の強さを表す数値に「レーティング」というものがある。レースで示したパフォーマンスを数値化する試みだ。ジャパンカップで優勝したアーモンドアイにつけられたレーティングは124(ポンド)だった。これは3歳牝馬に与えられたレーティングとしては史上最高だった。

理由③ もはや国内に敵なし

年が明けた2019年3月、アーモンドアイは初の海外遠征を行った。向かった先はアラブ首長国連邦(UAE)ドバイのメイダン競馬場だった。出走したのはGⅠレースのドバイターフ。芝1800メートルのレースに日本、英国、香港、南アフリカ、アイルランド、そして地元ドバイから13頭が集まった。

日本から遠く離れた異国でも、初めて経験するナイター競馬でも、アーモンドアイのパフォーマンスが落ちることはなかった。スタート後は6、7番手でレースを進め、残り300メートルあたりで先頭に立ち、後続を寄せつけずにゴールした。

帰国初戦、6月の安田記念はスタート直後に外側の馬が前をふさぐ不利がたたり、序盤のポジションを大きく落としたことがこたえ、3着に終わった。2017年10月のレースからドバイターフまで続けていた連勝は「7」でストップしてしまった。

牝馬はいったん調子を落とすとスランプに陥るケースがあるが、アーモンドアイにとっては杞憂だった。夏を休養に充て、復帰した天皇賞・秋では自身も含め、GⅠ優勝経験馬10頭がそろう豪華メンバーの中で、2着に3馬身差をつけ、楽勝した。

2019年最後のレースは香港カップ(12月8日、シャティン競馬場、芝2000メートル)と決まった。香港のシャティン競馬場は父のロードカナロアが香港スプリントで2連覇を達成した縁のある競馬場だ。

アーモンドアイを管理する国枝栄調教師はこれだけの実績を残しても「まだ上があるんじゃないか、と思える」。無限の可能性を感じている。

トレーニングでも全速力で走らせたことはなく、常に抑え気味の調教に終始する。それでもびっくりするような速いタイムが出たりする。3歳の秋には後ろ脚の可動域が大きすぎて、前脚とぶつかるほどだった。

これまで中央競馬に所属した競走馬のGⅠ最多勝はシンボリルドルフ、ディープインパクト、キタサンブラックなどがマークした7勝。アーモンドアイは海外での1勝をのぞくと現在5勝だ。まだ、どの馬も達成したことのない中央競馬GⅠ8勝が当面の目標となる。

「無事」でいればアーモンドアイにとって、この記録は達成可能だろう。

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