2019.11.14
# ANA

ハワイ線絶好調のANAが業績予想を下方修正した「想定外の理由」

A380導入は大成功だったのに
鳥海 高太朗 プロフィール

海外出張の経費削減が及ぼす影響

「ある変化」というのが、欧米路線におけるビジネス渡航だ。ANAやJALにとってビジネス渡航は大きな収入源となっている。

ビジネス渡航では、スケジュールを最優先にする企業が多く、予定変更も発生する可能性が高いことから予約変更が可能なレジャーで使う運賃よりも割高ではあるが使い勝手のよい航空券を使う傾向にあるほか、会社の規定によっても大きく異なるが、一定の職位以上の場合にビジネスクラスでの出張が認められている出張規程であれば、航空券代金も高額になる。会社の業績が好調の場合には、航空券の価格が割高でも問題ないが、企業業績が落ち込み始めると真っ先に影響が出るのが航空券だ。

Photo by iSTock

今回のANAホールディングスの決算会見でも7月以降、減少が色濃く出ており、欧米路線では企業業績を反映したダウングレードが出ている。このダウングレードというのは、従来はビジネスクラス利用だったのを出張コストを削減する為にエコノミークラスに格下げするというものだ。

一般的にエコノミークラスの3倍~5倍近い運賃のビジネスクラス利用を制限することで企業側の出費を抑えることになるとともに、状況によってはテレビ会議のみにして出張自体を制限するケースも出ている。その結果、欧米路線では単価・搭乗率が下がっている状況になっているようだ。

ANAによると、特に7月以降の日本発の業務渡航需要に弱含みが見られており、提供座席数が前年よりも増加したが、国際線の旅客収入が前年並みの数字となっていることからも航空券単価が下がっていることは明らかだ。

 

更に影響が出ているのは欧米路線だけでなく、中国路線やアジア路線においてもだ。東南アジアでも対前年比は中国ほどではないが減少している。中国路線では、昨年から生産量を落としているが、中国系航空会社が中国の地方からの路線を拡充したこともあり、インバウンド(訪日外国人)の需要が落ちており、旅客数ベースで第1四半期では4%、第2四半期では9%程度の減少となっている。

アジア路線でも中国路線ほどの影響は出てないが、他の航空会社の供給量が増えている傾向にあるそうだ。またANA本体の影響は少ないが、日韓関係の影響は同社のグループ会社であるLCC(格安航空会社)のピーチで影響が出た。

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