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韓国が11ヵ月連続で「輸出減」の苦境…文在寅が迎えた大きなヤマ場

輸出依存度の高さがアダとなる

文在寅大統領の強気の発言とは裏腹に、足元の韓国経済は下押し圧力の深刻さが増している。

韓国のGDPの約4割を占める輸出は、ここへ来てペースを速める勢いで減少している。

10月、輸出は前年同月に比べて約15%減少した。

前月から落ち込み幅が拡大している。

地域別にみると、韓国の最大輸出先である中国向けが17%減少した。

 

それに加えて、米国や欧州向けの輸出も減少している。

輸出減少の勢いを見ると、輸出依存度の高い韓国経済の先行きがかなり心配になる。

最大の輸出先である中国の景気減速スピードが予想以上に急ピッチであることを考えると、少なくとも短期間で韓国の輸出減少にブレーキがかかるとは考えづらい。

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一方、足元、米国やわが国など一部の諸国では、5G関連を中心にITセクターに持ち直しの萌芽が見えつつある。

そうした動きに合わせて、経済に関心が薄いと言われる文大統領が適切な経済運営を行なえるか否か、韓国経済の先行きを占う上で当面の焦点となりそうだ。

一段と深刻さ増す韓国の輸出減少

10月まで11カ月続けて、韓国の輸出が減少している。

品目別にみると、韓国にとって最大の輸出品目である半導体の輸出が下げ止まっていない。

10月の半導体輸出は前年同月比で約32%減少した。

更に、韓国企業のシェアが高い液晶パネルの輸出も同23%程度減少した。

それに伴い、韓国経済はかなり苦しい状況を迎えている。

輸出減少を受けて、半導体、液晶パネル、それらに加えて鉄鋼など財閥企業の業績悪化も鮮明だ。

 

主力の半導体業界では、過剰生産能力も顕在化しつつあるように見える。

9月、わが国は韓国に100キロのフッ化水素(半導体材料の一つ)を輸出した。

前年同月の輸出量は約3283トンだった。わが国が輸出管理を厳格化した影響があるにせよ、落ち込み方は尋常ではない。

一方、サムスン電子は半導体市況の底入れが近いと見ているようだ。

同社は設備投資を積み増している。

本当にそうなら、追加の半導体材料をわが国から調達する必要性が高まってもおかしくはない。

9月のフッ化水素の対韓輸出急減をもとに考えると、韓国半導体業界が想定以上の需要落ち込みに直面し、過剰生産能力の負担が増している可能性があることは軽視できない。

それに加えて韓国企業は、中国企業のシェア拡大や競争力向上にも対応しなければならない。

中国は政府主導で国有企業の経営統合を進め、世界市場におけるシェア拡大に取り組んでいる。

液晶パネル分野では中国政府の補助を受けた京東方科技集団(BOE)がフレキシブル有機ELディスプレイの生産能力を引き上げている。

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