光り輝くオフホワイト

令和元年(2019年)11月10日、徳仁天皇の即位を祝う「祝賀御列の儀」で、皇后雅子さまは光輝くようなオフホワイトのローブデコルテにジャケットを羽織ったスタイルでお出ましになりました。ジャケットの首の周りと取り囲むように、幾重にも重ねられたフリルがまるでバラの花びらのようで、雅子さまの華やかさを引き立てていました。

気品あふれるオフホワイトのローブデコルテ photo by gettyimages

太陽の光を受けて、キラキラとまばゆいばかりのお姿に魅了されると同時に、雅子さまのお印の「ハマナス」をモチーフにしたデザインのようにも見えました。ハマナスとは、ローズヒップという果実をつけるバラ科の植物で、夏に紫みを帯びた紅色の花を咲かせます。

ドレスは祝賀パレードのために新調されたもののようですが、明治時代から皇后さまが引き継がれている「第1ティアラ」と2連のネックレスは、皇后になられた5月1日から着用されています。

紫色と若草色で華やかに

また、10月22日、皇居・宮殿で執り行われた「即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)」では、十二単姿で「御帳台(みちょうだい)」にお座りになりました。十二単は、正式には五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)と呼びます。十二単は襲の色目の美しさもさることながら、第一印象を決めるのは、表着(うわぎ)と唐衣(からごろも)の色合わせです。

ハマナスの意匠が美しい雅子さまの「十二単」 photo by gettyimages

平成の「即位礼正殿の儀」は、昭和天皇が崩御され、長い喪の期間が明けた翌年に行われました。美智子さまがお召しになった平成の十二単は、若草色の表着に紫色の唐衣を重ねて、落ち着いた雰囲気を醸し出していました。

令和の「即位礼正殿の儀」は、明仁上皇の退位にともなう皇位継承ということで、国民全体に祝祭ムードが広がりました。雅子さまの十二単は、ハマナスのお印を意匠化した紫色の表着に若草色の唐衣を重ね、明るく華やかな装いで新しい時代の始まりを彩りました。雅子さまは、平成の十二単の色づかいを踏襲し、表着と唐衣の色を入れ替えることによって、祝祭ムードにふさわしい着姿でお出ましになったのです。