菊池桃子と滝川クリステルに見る「人生100年時代のキャリア戦略」

話題の「51歳再婚」が意味するもの
井戸 まさえ プロフィール

働く女子、「クリステル」という鎧

さて、一方の滝川クリステル氏の場合はどうだろうか。

クリステル氏は一定のキャリアを築きあげ、資産も蓄積。世間的にもそれなりの評価と位置を確立した40歳。しかし、実は今後どんなキャリア戦略を描くについては、だからこそ難しい。「結婚」の意味は桃子氏とは自ずと違ったものであろう。

小泉進次郎氏は結婚時のぶら下がりインタビューで、クリステル氏といると政治という戦場で緊張している自分がその「鎧」を脱ぐことができる旨語っているが、思わずツッコミを入れたくなった。

実際には進次郎氏は落選の危機もなければ、議会活動とてサラブレットとしてある意味安全。「おいしいところ」ばかりを任されていて、環境的には一般に言われる政治の世界の「戦場」とはだいぶ趣が違う。

逆に言えば、進次郎氏は「戦っていない」という潜在的コンプレックスがあり、むしろ「常在戦場」で戦い続けて来たクリステル氏と時間を過ごすことで「戦場」の疑似体験、臨場感を実感できたのかもしれない。

 

局アナだろうが、フリーアナだろうがテレビの世界では看板番組のメインキャストの椅子の数は決まっている。しかもそれは国会議員よりずっと少ない。

クリステル氏の経歴を辿れば学生時代のミスコンを始め、就職活動等でも希望通りとは行かなかったようである。ライバルに負け続けながらも、しかし彼女は諦めない。

この業界で生き残こり、いずれは自分が最も輝く椅子に座ることを信じながら、まさに桃子氏が言う「(プチ)失敗だらけ」のキャリアをバネに「過去のことは変えられなくても自分の工夫次第で良い方向に」変えてきたのだ。

そのキャリア戦略上の「工夫」の一つは、仕事で使用する名前を本名の「雅美」から「クリステル」に変えた、と言うことだ。「クリステル印の鎧」をまとったことで中身は一つも変わらないにも関わらずチャンスを掴む。

それまでは日本人の舶来コンプレックスにつけこむことを良しとしなかった、もしくは経験上マイナス面も感じていたのからこそ当初は「雅美」で勝負してきたのだろうが、そのこだわりを捨て自分の実力を生かす転機は氏名表記という至極単純なことで大展開していく。

しかし進次郎氏がクリステル氏を「雅美」と呼んでいるように、オリジナルの名前に対するこだわりと、「素の自分」への愛、そして「クリステル」への葛藤は今もあるのだろうと思う。

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