「離婚後モテ期」が到来する人としない人の違い

「甲斐性なし」で終わらないためには
稲田 豊史 プロフィール

離婚した女性は「被害者」、離婚した男性は「甲斐性なし」。それがざっくり言って日本の社会から当事者たちが貼られるレッテルだ。そして、「被害者」はその体験を語ることによって「被害報告」が成立するが、「甲斐性なし」の語りは「恥の上塗り」にしかなりえない。場合によっては、「努力不足」「自己責任」と糾弾されてしまう。

加えて、男同士の付き合いに「どれだけ自分を大きく見せるか」合戦は付き物だ。どれだけビッグな仕事をしたか、どれだけビッグな人とつながっているか。そっち方面のマウンティング合戦は、女性に負けずとも劣らない。10代、20代ならともかく、「30代後半〜40代の都市型・文化系・ホワイトカラー男性」は、いまだに大半がその価値観にどっぷり埋もれている。

そんな彼らにとって「離婚」は、自らのステータスを貶(おとし)める汚点である。3ヶ月だけ在籍して辞めた会社同様、できれば自分の履歴書から消したい事案。聞かれない限り、自分から進んで話すような代物ではない。この点、積極的な被害報告をもってオーディエンスの共感を得ようとする女性とは、大きく異なる。

さらにこの世代の男性の間には、「過ぎたことにあれこれ愚痴を言わないのが男らしさである」という旧来的な考え方も、まだまだ根強い。特に40代の場合、団塊世代の男親に刷り込まれた昭和的マッチョ志向の影響は色濃いと見る。

 

傾向2
自虐を笑いに昇華できたら「離婚後モテ期」が訪れる

〔PHOTO〕iStock

とはいえ、男性が自分の離婚話を話す場面がひとつだけある。オーディエンスが自分と同じく離婚者である場合だ。

この場合、男性は劣等感にさいなまれることはない。むしろ、すねに傷を持つ者同士、わかってくれる相手だと気を許す。今まで胸の奥に溜めこんでいた想いが、堰(せき)を切ったようにあふれ出すのだ。

実は離婚男性ルポを企画したきっかけも、離婚男性だけが集まる「バツイチ会」という飲み会に誘われたことだった(私も離婚経験者である)。

会に参加し、驚いた。男性が自分の離婚についてここまで赤裸々に、感情を交えて熱弁するのを見たことがなかったからだ。皆、“履歴書”に同じような後ろめたさを抱えている。マウンティングの必要もない。いい年したおじさんたちが、完全に解放されていた。

その意味では、のちに取材で出会う離婚男性が、なぜ初対面のインタビュアーである私に、自らの離婚話を赤裸々に話してくれたかの説明がつく。私が毎度取材前に、自分も離婚経験者であることを伝えていたからだ。