雅子さま以外は考えられない

陛下の意思は、宮内庁長官から当時の天皇皇后両陛下(現在の上皇、上皇后両陛下)に伝えられた。

「天皇」と言えども人の親であることには変わりない。両陛下は、皇太子に心から愛する女性ができたことを喜び、その想いを叶えたいと思われたのかもしれない。

「皇太子の気持ちを優先したらどうでしょう」

上皇后妃美智子さまは自ら子育てをされることを選択した。結婚も本人の気持ちを大切にされたのもよくわかる。写真は浩宮さまを囲む昭和天皇、皇后両陛下と当時の皇太子殿下、そして美智子さま Photo by Getty Images

そんなお答えをいただき、宮内庁は、正式に雅子さまをお妃の最有力候補として事に当たることになった。

ちょうどその頃に行われた32歳の誕生日会見で、結婚の在り方について問われた陛下は、笑顔でこうおっしゃられている。

縁とプロセスが大事だと思っています。それにプラスして、ロマンのようなものがあればいいなあ……と」

その時、陛下が心の中に雅子さまの顔を思い浮かべていたのかと想像すると、当時の会見の映像を見返して、ついニヤニヤしてしまう。

さて、そんな陛下の熱い想いを受け、それからまもなく、宮内庁幹部と東宮職(皇太子をお守りする宮内庁の中の独立した組織)幹部らは、合同の極秘会議を開いた。皇太子の恋を成就させるための「小和田雅子さんプロジェクト」始動だ。

第1回の議題は「どうやって皇太子と雅子さんを再会させるか」「どのように雅子さん側にアプローチするのか」

確かに国家の重大事に関わることではあるが、いいオジサンたちが顔をつき合わせ、皇太子の恋の後押しについて真剣に話し合っていたのかと思うと、ちょっと可笑しい。その日の会議は、宮内庁長官のこんな言葉で結ばれたという。

「小和田さんに、良いお返事がいただけることをお祈りして」

……必死すぎる。