# 地方創生

日本人は、ここから「多拠点生活」をすべきワケ

「知らないこと」を知るのが大切な時代
藤野 英人 プロフィール

「知らないこと」を知る

Sさんのケースでいうと、私は彼女の滝の活動とレオスの社員としての仕事が直接にリンクすることを期待しているわけではありません。

しかし、実際のところはSさんが多拠点生活をしていることはレオスでの仕事をするうえで付加価値を生んでいると思います。

 

レオスは日本全国で投資信託を提供しており、地方に根付くことが求められる会社です。この点、Sさんには多拠点生活で培った地方の文化や考え方に対する彼女なりの理解があるため、私が地方で活動するときなどの助けにもなっているのです。

〔photo〕iStock

多拠点生活がビジネスパーソンとしてどのような付加価値を生むのかについては、「都心にいるだけではわからない地方のこと」「地方にいるだけではわからない都心のこと」を知ると、腹に落ちるかもしれません。

昔レオスで働いていた人で、横浜に生まれ育ち、東京とニューヨークしか知らないという女性がいました。

彼女と新潟県で起きた北朝鮮の拉致問題について話していたところ、「どうやって連れて行かれてしまったのかわからない。誰も見ていなかったなんて……」と言います。私は「これはちょっとまずいかもしれないな」と思い、彼女に新潟まで出張してもらいました。すると夜7時ごろ、彼女は新潟から電話をかけてきて、こう言ったのです。

「真っ暗です。歩いている人がいません!」

知らないというのは、こういうことなのです。