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なぜ我々は「ピエロが怖い」と感じるのか…その知られざる理由

『ジョーカー』、『IT』の原点を探る
朝里 樹 プロフィール

ジャック・ニコルソン版ジョーカーの衝撃

ジョーカーは1940年、アメリカンコミックスに登場し、80年近く『バットマン』を代表する悪役として君臨し続けている。『IT』は一九八六年に小説が発表され、その後も何度か世界観を共有するキングの小説の中に登場している。

しかし彼らの漂白された恐ろしい笑顔を有名にしたのは、映像作品だろう。『バットマン』は何度かアニメ化や映画化が行われているが、ジョーカーが登場する作品で代表的なのは1989年に公開された、ティム・バートン監督版の映画『バットマン』だ。ここではジャック・ニコルソン演じるジョーカーが、すさまじい存在感をもって犯罪を繰り返し、マイケル・キートン演じるバットマンと対決する。

『バットマン』('89)でジャック・ニコルソンが演じたジョーカー/Photo by gettyimages

その後、2008年にはクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』で再びスクリーンに登場し、演じるヒース・レジャーの狂気の名演技が話題となった。

『IT』は1990年、テレビ映画としてアメリカで映像化された。ここではティム・カリー演じるペニー・ワイズが次々と子どもや大人を犠牲にしていく姿が描かれ、牙をむき出しにするピエロのビジュアルは大きな衝撃を与えた。

これらの作品の影響が大きいのは、ビジュアルとして恐ろしい道化師のキャラクターを示したこと、そしてこれらの映像が、子どもたちが簡単に見ることできる状況にあったことだろう。

 

アニメやコミック、小説のキャラクターももちろん恐怖を与える存在となりうるが、それは読者や視聴者の想像力にゆだねられる部分も大きい。一方、実写映像で、実在の人間が演じるキャラクターは、そのままダイレクトに同じ次元の存在として現れる。子どもたちにとって、それは大きなインパクトを与えるものと思われる。

筆者も実際、子どもの頃に『IT』の映画予告を見て、しばらくマクドナルドのキャラクターであるドナルドまで怖くなった覚えがある。幼少時に植え付けられたピエロ型のキャラクターに対する恐怖心が、ピエロそのものに対する恐怖となって残ることは想像できる。

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