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なぜ我々は「ピエロが怖い」と感じるのか…その知られざる理由

『ジョーカー』、『IT』の原点を探る

人々を震撼させる「2人のピエロ」

白く塗られた奇妙なメイクの顔、明るい色の髪、派手な服装、そしておどけた動き。「ピエロ」という存在は、基本的にはサーカスや慈善事業で子どもたちを楽しませるものとして認識されているが、一方で人を恐怖に陥れるキャラクターとしてもよく描かれる。

(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

最近では、現在公開中の映画『ジョーカー』において、ホアキン・フェニックス演じる主人公、アーサー・フレックがピエロの恰好をして大道芸を演じ、人々を楽しませながらわずかな賃金を得る。しかしその道化師のメイクは、やがて、社会の混乱と恐怖の象徴となる。映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』では、ピエロの恰好をしたペニー・ワイズという怪物が大人や子どもを襲い、残虐な殺人を繰り返す。

「道化恐怖症」という言葉が存在するほど、ピエロに対する恐怖は普遍的なものと考えられている。ではなぜ人は本来楽しみを与えるはずの彼らに恐怖するのであろう。その理由は、複数あるのではないだろうか。

 

先述したジョーカーは、本来アメリカの出版社・DCコミックスの人気キャラクター『バットマン』の主人公、ブルース・ウェインことバットマンの宿敵として登場するキャラクターだ。その姿は薬品(作品によってはメイク)によって漂白された肌に、笑顔のまま硬直した、もしくは笑顔の形に傷ついた口、緑色の髪に紫色のスーツを身にまとっている、というものが多い。

彼はどんな犯罪をもジョークと笑い飛ばして殺人や強盗を躊躇なく行う狂気のキャラクターとして描かれており、本人の精神が通常とは異質なため、その過去さえも定まらないという特異性を持つ。

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またペニー・ワイズはスティーヴン・キングの小説『IT』に登場する悪役だが、こちらはピエロの姿をしているだけの人間ではない何かで、犠牲となる児童に近づいては相手が恐怖するものの姿となって襲い掛かる。

現在公開中の映画でメインキャラクターを務めるこの2人だが、道化師に対する恐怖心を持つきっかけとなる存在として、この2人が例に挙げられることは多い。