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能力はあるけど「出世したくない若者」に、おじさんはどう応える?

佐藤優が解説します

「リーダー」もさまざま

職場の紛争学』は、経営・人事コンサルタントである著者の各務晶久氏がさまざまな現場での事例解決を通じて、職場で起きる紛争の原因と解決策について論じた実用性の高い本だ。

以前より言われていることであるが、中間管理職の人選が組織の活性化にとって死活的に重要だ。

〈言い古された表現であるが、優秀なプレーヤーが名監督になるとは限らない。したがって、プレーヤー時代の業績とは別の視点で管理職を選抜すべきだ。(中略)

彼、彼女を「優秀」たらしめたのは、昇進前の「業績」や「能力」である。それをもとに管理職の選抜を行うとミスマッチを起こすのは当然といえよう。

 

本来は管理職として必要な「業績」や「能力」を発揮できるかどうかを選抜の尺度にしなければならない。体重を量るべきところ身長を測っていたのと同じで、測定要素が正しくなかったということだ。

管理職に求められる要素の中で、特に重要なものがリーダーシップだ。1人で仕事をしていた時と比べ、部下をまとめ、部下の業績を高める必要があるからだ〉

と各務晶久氏は指摘する。確かにリーダーシップは重要だ。ただし、リーダーシップにもさまざまな種類がある。評者の場合、25人くらいまでの少数精鋭集団をまとめあげることは得意だ。しかし、それ以上の大きな集団のリーダーになる資質はない。

自分がまとめた少数精鋭集団と周囲の関係が先鋭化し、感情的対立に発展することが少なくないからだ。大きな集団をまとめるリーダーシップにはある種の「鈍感力」が必要とされる。個々人の能力を最大限に鍛え上げる精鋭集団を作るときの手法は通用しない。

職場において面倒なのは感情的対立だ。この点についても各務氏は特別の注意を払っている。