川端康成、柴田錬三郎…大御所と呼ばれる作家たちの「スゴイ文章力」

作家・宮城谷昌光の人生最高の10冊
宮城谷 昌光

宮城谷昌光さんのベスト10冊

第1位『剣は知っていた』(上・下巻)
柴田錬三郎著 新潮文庫 入手は古書のみ
「柴田さんは“美人”などといった直接的な表現を使わず、女性の美しさを表現することにも長けた書き手の一人です」

第2位『大和路・信濃路
堀辰雄著 新潮文庫 430円
小説とは異なった堀辰雄の表情。「『大和路』に影響され、新婚旅行では作中に登場する秋篠寺や浄瑠璃寺を訪れた」

 

第3位『新編 中原中也全集』(全6巻)
中原中也著 角川書店 入手は古書のみ
「中也が激賞していたアンデルセンの『即興詩人』を読み、曇りのない幸福な物語に感動したことも印象深いです」

第4位『雪国
川端康成著 角川文庫 362円
「川端康成は古風な書き手のように言われますけど、方法論的には斬新さが目立つ人」

第5位「黄金虫」(『モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集II ミステリ編』所収)
エドガー・アラン・ポー著 巽孝之訳 新潮文庫 520円
「大学の卒業論文ではポーのことを書きました。作品の探究は驚きの連続でしたね」

第6位『本朝画人傳』(全5巻)
村松梢風著 中央公論社 入手は古書のみ
「貧しくても芸術家のプライドを保とうとする画家の姿に、自分を重ね合わせました」

第7位『自家製 文章読本
井上ひさし著 新潮文庫 550円
「文章の書き方に悩んでいた時、“あなたは間違ってない”と私の背中を押してくれた」

第8位『ダルタニャン物語』(全11巻)
A.デュマ著 鈴木力衛訳 復刊ドットコム 入手は古書のみ
「本当に自分が“面白い”と思った小説を考える時、まずこの本が頭に浮かびます」

第9位『駿河遊侠伝』(上・中・下)
子母沢寛著 徳間文庫 入手は古書のみ
「言わずと知れた清水の次郎長の物語。文体からあふれでる人情味が大きな魅力です」

第10位『新史 太閤記』(上・下巻)
司馬遼太郎著 新潮文庫 上790円、下750円
後の天下人・豊臣秀吉の半生。「戦国時代のゆったりとした感じがいい形で出ています」

『週刊現代』2019年11月2・9日号より