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11月13日 新発見の鳥に「ヤンバルクイナ」と命名(1981年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1981年6月に山階鳥類研究所のチームによって、沖縄島北部で発見されたツル目クイナ科の新種が「ヤンバルクイナ」と命名されました(学名はGallirallus okinawae)。

山階鳥類研究所員が、与那覇岳(498メートル)の原生林で捕獲。全長約30㎝、翼長15㎝の小さな鳥で、くちばしと脚が鮮やかな紅色が特徴です。鳥でありながら、ほとんど飛べず、昆虫やカタツムリなどの小動物食寄りの雑食性です。

【写真】ヤンバルクイナ
  ヤンバルクイナ photo by Ministry of the Environment (https://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/yambarukuina.html)

ヤンバルクイナが属するクイナ類は、全世界に約130種が生息していますが、大陸から遠く離れた大洋の孤島に分布するものも多くいます。その中には固有種や固有亜種(世界でその島あるいは諸島にしかいない種や亜種)で飛べないものが多くいます。

これらの島嶼性のクイナ類は、捕食動物が島の外から導入されると、簡単に捕食されたり、競合に負けたりして数を減らし、絶滅してしまいます。すでに21種の島嶼性のクイナ類が絶滅していますが、外来種の影響によって絶滅した種は、疑われているものも含めて11種類に及びます。島という生態系環境の脆弱さを表しているということができます。

ヤンバルクイナも、ハブ駆除のために持ち込まれたマングースによる捕食が減少の原因の1つとされています。そのほか、開発による生息環境の悪化や、交通事故による死亡数の増加も懸念されています。

環境庁が絶滅危惧種に指定し、手厚い保護がなされましたが、1986年時点で約1800羽だった推定生息数は減少の一途をたどり、2005年の調査では約720羽まで減少しました。

その後、しばらく1000羽前後で推移していましたが、マングース防除事業の進展に伴い、回復傾向に転じ、2014年時点で約1500羽まで回復しました。

現在、環境省の第4次レッドリストで絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に分類されており、依然として種の存続が危ぶまれる状態です。現在では、保護施設での飼育による保護増殖も行われています。