すべてを諦めて生きる「N放世代」。韓国の青年たちの過酷な生活に迫る

未婚率が急増、出生率は世界初の「0人台」へ
金 敬哲 プロフィール

出生率、世界初の「0人台」へ

こうしたN放世代の絶望感は、韓国の存亡にも直結している。韓国統計庁の「2015年人口住宅総調査」(5年ごとに発表)によると、若年層の未婚率が急激に増加している。

 

20代が2010年の86・8%から91・3%に増え、30代は29・2%から36・5%に増加した。特に兵役と就職問題などで結婚が遅れる男性の場合、30代の未婚率は44・3%にもなる。2025年には、30代の男女未婚率が50%を超えるという予想も発表されている。

若年層の未婚率の増加は、出生率にも大きな影響を及ぼす。韓国統計庁の「2018年出生統計」によると、2018年の韓国の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供の数の平均)は0・98人と、統計を作成して以来最低を記録、1年間の出生児数もわずか32万人台に止まった。

最悪といわれた2017年の出生率1・05人よりもさらに落ち、世界初の「0人台」へ突入したのだ。国の存続を脅かす未曾有の事態といえる。

若年層が子供を産まない理由としては、経済的な問題が圧倒的に多い。女性家族部の「2015年度家族の実態調査」によると、20代の52・1%と30代の37・3%が経済的なことを考えて子供の出産計画をもっていないと明らかにした。

統計庁は2016年の人口推計で「2028年頃から総人口が減少する」という見通しを発表したが、出生率は予想を超える水準で減少しており、2019年3月に発表した「将来人口特別推計」では、韓国の総人口が自然減少を開始する予想時期を2019年下半期に修正した。

2006年、著名な人口専門家であるオックスフォード大学のデイビット・コールマン氏は、少子・高齢化によって地球上から消える危険国家の第1号として韓国を指名した。また韓国国会立法調査処は2014年、韓国の人口は2100年には2000万人に減少し、2750年には地球上から消滅すると予測した。

韓国の歴代政府は、少子化が本格的な問題として台頭してきた2006年から2016年までの間に、対策費として約100兆ウォンの予算を投じており、2017年にできた文在寅政権も2年間で50兆ウォンをつぎ込んでいる。

しかし、2006年に1・12人だった出生率は2018年には0・98人になり、世界で最も出生率が低い国となった。このままなら、韓国消滅の日はもっと早まるかもしれない。

行き過ぎた資本主義と、そこからの揺り戻し。政治に翻弄され続ける韓国社会では、厳しい経済状況のため、青年だけでなくすべての世代が将来に希望を見出せないでいる。そして、これは、政権が道を誤れば、日本を含め世界中のどこの国でも起こりうる『韓国 行き過ぎた資本主義』には、「無限競争社会」韓国のありのままの姿が描かれている。
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