高校生が「大学入試改革」に抱く不安、これが悲痛な「生の声」だ

「私の人生を実験台にしないで」
田中 健一 プロフィール

高3生の不利益

盲点となりがちだったのは、現高3生への影響でした。

「私たちは高校入学当初から浪人できない世代と言われてきました(引用者注:制度が変更され試験の内容が大きく変わるため)。また学校側からは難易度を落としてでも大学に入れと言われてきました。万が一浪人した場合の対策は一度説明されましたが、いまいちよく分からず、浪人生が不利という状況は何ら変わっていません。

私は受験を控えており無事受かればいいですが、落ちた場合先が全く見えずとても不安です。結局、行きたい大学ではなく、行ける大学に行く他なくなってしまします。」(福島県/高3)

わが国の大学受験では「浪人覚悟」で臨む受験生が毎年一定数いるのですが、今年はそうした「二年計画」を立てづらくなっていました。そうした生徒たちへの説明は十分だったのでしょうか。

「採点」という残された課題

英語民間試験は延期されましたが、現段階では予定通り行われることになっている共通テストの記述式の「採点」の問題も高校生に不安を与えています。

〔PHOTO〕iStock
 

「共通テストでは記述式の設問が導入されますが、私は特に採点における公平性に強い懸念があります。50万人の答案を短期間で採点することは並大抵のことではできないように思えます。大学生のバイトで人員を賄うという話も以前ありましたが、エキスパートではない彼らの採点に間違いが起こる可能性を考えると、たまったものではありません。

記述式試験を導入する目的として、受験生が自らの力で考えをまとめる力、つまり表現力を評価するというものがあります。もし本当に表現力を評価する問題を作るならば、多様な書き方の答案が必然的に生まれることになり、その結果採点は難しいものになるでしょう。

かといって採点を簡単にするために条件を厳しく限定すれば、機械的な言い換えやまとめあげで解答が作れるようになってしまいます。そんな問題はもはや表現力を測っているとは、とても言えません。

結局のところ、共通テストをその本義に則って実施しようとすれば、膨大な人数の答案を短期間で人力で採点するなんてことは不可能であると考えざるを得ません。もしこのまま共通テストを断行するというのなら、それは形だけの改革であり、手段が目的となった改革であり、なにより、学生を置き去りにした改革です。」(青森県/高3)

「記述試験においては、学生を雇い採点させるということも耳にしました。国語の記述に関しては明らかに採点において不公平な部分や解答の不透明になる部分が多くでると思います。」(京都府/高2)