高校生が「大学入試改革」に抱く不安、これが悲痛な「生の声」だ

「私の人生を実験台にしないで」
田中 健一 プロフィール

制度の準備不足

まずは、制度の準備不足・周知不足について心配する声です。

「僕達の年から入試改革という名で訳の分からないことが行われるのが怖いです。せめて高校に入った時には全容がわかってる学年からやって欲しいです。前年になっても全容がわからないテストを我々が受けるなんて怖すぎます。」(広島県/高2)

文科省が定めた大学入試のルール「大学入学者選抜実施要項」には、

「個別学力検査及び大学入試センター試験において課す教科・科目の変更等が入学志願者の準備に大きな影響を及ぼす場合には、2年程度前には予告・公表する。その他の変更についても、入学志願者保護の観点から可能な限り早期の周知に努める。」

とあります。試験が行われる2年くらい前には、少なくとも準備が整い、告知しなければならないことを、文科省自身が定めているのです。

ところが、2020年4月から始まる英語民間試験の日程や会場等の詳細な情報は、結局は萩生田文科大臣から延期が発表される前日になっても発表されないままでした。「2年程度前予告」の原則は守られず、最後まで受験生の不安は解消されなかったのです。

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「情報収集をしても、情報が新旧錯綜して何が本当なのかよくわからないのが現実です。民間試験の活用如何についても大学ごとの対応が別れすぎていて、とても受験生に不親切だと感じます。

この制度の周知や整備などが不十分な状況で、現行のセンター試験から試験制度を変更する意義が全くと言っていいほどわかりません。せめてその意義だけでも、全ての受験生に届かせる義務が国にあると思いました。」(栃木県/高2)

文科省は2019年8月27日に「大学入試英語ポータルサイト」を開設し、情報の整理・発信を試みましたが、あまりにもお粗末な出来で現場の混乱を収めることはできませんでした。