文在寅、安倍首相に突如として「すり寄り」日本はどう対応すべきか

慌てる韓国に合わせる必要はない
長谷川 幸洋 プロフィール

米国を怒らせたくない

最大の打撃になったのは、米国が日本とのGSOMIA協定破棄方針を見直すよう要求している点である。訪韓したデイビッド・スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は6日、康外相らと会談し、協定破棄の見直しを求めた模様だ。この後、マーク・ミリー統合参謀本部議長も訪韓する。

 

文政権は当初、GSOMIAの破棄について「米国の理解も得ている」と主張していた。ところが、これは「真っ赤な嘘」だった。米国は当初からGSOMIAを破棄しないように、韓国に働きかけていたのだ。米国は破棄方針が伝えられると、直ちに強い懸念を表明した。

米国の怒りが本物と分かったとたんに、文政権は慌てだした。本音は、北朝鮮を敵視するGSOMIAを破棄したいのだが、いまの段階で米国を怒らせてしまうのは得策ではない、とようやく気づいたようだ。

なぜかといえば、ここで米国を怒らせてしまったら、文政権が自慢してきた「北朝鮮との仲介役」という「外交の金看板」を失うはめになる。それでなくても、北朝鮮からはさんざん罵倒されている。最近でも、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が金剛山の観光開発で韓国が建てたホテルの取り壊しを命じたばかりだ。

そのうえ、米国からも見放されたら、文政権は自慢できる成果が1つもなくなってしまう。内政は法相辞任と経済失政でダメ、外交も孤立が深まるだけでは、政権の求心力が失われるのは当然だ。そうなったら、来年4月に予定される総選挙の勝利も、おぼつかなくなる。

もし敗北したら、政権は完全なレームダック(死に体)状態になってしまう。それを避けるために、ひとまず反日姿勢を封印したうえで、日本との関係改善を図る。それで、日本が対韓輸出管理強化を見直してくれれば、GSOMIA破棄を見直す絶好の口実になる。そのために、日本接近を図っているのだ。