著名人が告白…伴侶を亡くし『ひとりで生きる』ことになった私の人生

悲しみと戸惑いの向こうに見えたもの
週刊現代 プロフィール

心の面倒は自分でみる

一方で、自らひとりで生きることを決め、人生を歩んできた人もいる。伊集院静原作の映画『駅までの道をおしえて』に出演する笈田ヨシさん(86歳)もそのひとりだ。パリに住み、世界を股にかけて活躍する俳優、演出家である。

「僕はずっと独身。3回くらい同棲したけれど結婚はしなかった。役者ってモテないんですよ。公演に行ってる間に浮気されたりしてね。年もとったのに、トランク下げて飛び回って。

ひとりアパートにいると、俺はいつまでこんなことをやるんだろうって悲しくなることもありますね。でもほかにやりたいことがない。死ぬまで続けますよ」

まさにプロフェッショナルの生き様である。

 

〈一人で生きようとしている人には、家族、兄弟姉妹、仲間、同僚、友と日々、逢ったり、連絡を取り合って、普通に生きている人たちには、ないものがある。
あの潔さに似たものは何なのだろうか?〉

しかし、そんな笈田さんでも老いを感じる日々を過ごしている。

「年をとるとどうしても好奇心がだんだんなくなる。だから、自分で意識して計画を立てて、無理をしていろんなことをやるようにしています。体は人間ドックで診てもらえるけれど、心はそうはいかない。自分で面倒をみてあげないといけない」

自分が何者なのかを知っているからこそ、生き方を選ぶこともできる。

〈私は自分の能力を、この程度だと、三十歳半ばで知ったが、遊べば遊ぶほど、自分の程度に抗って生きるのも面白かろうと思うようになり、五十歳半ばから他人の倍、次に三倍と働き出した。〝量は質を凌ぐ〟〝バカは倍やるしかない〟これを信じることにした〉

人は誰しも孤独な時間を生きる。それを乗り越えて初めて、本当の自分の姿が見えてくるはずだ。

発売中の『週刊現代』ではこのほかにも眼科医で山口大学名誉教授の西田輝夫さん(72歳)や、同じく医師の帯津(おびつ)良一さんの話にも触れながら、「ひとりで生きる」について特集している。

「週刊現代」2019年11月16日号より

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