著名人が告白…伴侶を亡くし『ひとりで生きる』ことになった私の人生

悲しみと戸惑いの向こうに見えたもの
週刊現代 プロフィール

初めて気づいたこと

少しでも人のために尽くしたい。この思いは、映画監督の夫・大島渚さん(享年80)を肺炎で亡くした女優の小山明子さん(84歳)も同じだ。

小山さんは、大島さんが'96年に脳出血で倒れて以来、亡くなるまで17年間の介護をした。その中で気づいたことがあるという。

「主人の介護をしているうちに、誰かのために何かをやってあげることが、自分の喜びになるのだと気づかされたんです。

それで、主人が亡くなってからボランティア活動を始めました。ひとつは3・11で被害にあった福島県大熊町の中学校に本を寄付する活動。

それと、鎌倉の建長寺による『未来・連福プロジェクト』に参加しています。毎年、3・11で被災した福島県の子供たちを招待して、お母さんらで食事を作って振る舞うんです」

 

一時は、介護うつに悩まされ、自殺まで考えたという小山さん。しかし、今ではその経験が糧になっていると感じている。

「主人が亡くなって七回忌を終えましたが、この6年で乳がんを患ったり、心臓を悪くしたり、骨折したりもしました。今年は脊柱管狭窄症で手術をしました。

最近は肺がんも見つかって、片肺の3分の1を切除したんです。退院したのはこの10月4日です。

それでも、主人が生きていた頃にはできなかったことをやろうという思いに変わりはありません」

小山氏は、3分の1が介護の結婚生活だったが、悔いはないと断言する。

〈人の死は、残った人に、ひとりで生きることを教えてくれる。それを通過すると、その人は少しだけ強くなり、以前より美しくなっているはずだ〉

亡くなった人のぶんも、人生を生き切るのが、残された人の務めなのかもしれない。