著名人が告白…伴侶を亡くし『ひとりで生きる』ことになった私の人生

悲しみと戸惑いの向こうに見えたもの
週刊現代 プロフィール

遠回りをしたけれど

もちろん、長年連れ添ってきた伴侶の死を受け入れるのは簡単なことではない。

「僕は未だに納骨していないんです。妻のお骨は鎌倉の自宅のキッチンに置いています。女房が一番長くいたお気に入りの場所。わが家で最も眺めのいいところです」

こう語るのは7年前に苦楽を共にした愛妻・靖子さん(享年66)を亡くしたキャスターのみのもんたさん(75歳)だ。

「妻がいなくなって、まず食事がめちゃくちゃになった。妻がいた頃は毎日、朝昼兼用の弁当を持たせてくれましたからね。それで健康管理ができていた。

でも今では、食べるものも時間もバラバラ。酒の量も日に日に増えていった。飲んでいる時は女房のことばかり考えてしまいます。はっきり言って、僕が先に逝きたかった」

 

妻を喪い途方にくれる日々。「あれも約束したけど、守っていない。これも果たすことができなかった」。後悔の念ばかりが頭を巡っていた。

「僕はなんにもやっていない。本当に口先だけで生きてきた」

しかし、こうした後悔の念が、みのさんの仕事への向き合い方を変えた。

「昔はテレビに出ることが一番大事だった。次にたくさんのギャラをもらうこと。新聞のラジオ・テレビ欄を見ては、年末年始に自分が何本番組に出ているかを数えたりしていました。愚かだったと思います。

今ではテレビの仕事は『秘密のケンミンSHOW』だけにしました。親父から引き継いだ水道メーター会社の仕事に専念したかったからです。

何十人、何百人の生活がこのメーターに乗っかっている。今になって初めてわかったんです。この仕事で若い連中に後を継いでもらいたい」

世のため人のため、残りの人生でひとつでも良いことをしたい、それがみのさんの辿り着いた答えだった。

〈人が何かの答えを見つけようとする時、私は一番近くにある答えより、あちこち回って、苦労したり、失敗したり、辛かった道程をうろうろしたのちに見つけた答えの方が、かなり上質な答えが得られると思う〉