著名人が告白…伴侶を亡くし『ひとりで生きる』ことになった私の人生

悲しみと戸惑いの向こうに見えたもの
週刊現代 プロフィール

「面倒なこと」が救いになった

ダンカンさんは仕事を続けながら、高校生になったばかりの息子の面倒もひとりで見なければならなかった。

高校の野球部に所属する息子は、毎日ユニフォームを泥だらけにして帰ってきたという。

「洗濯機では汚れが落ちないので、私が手洗いしてあげました。最初はイヤでイヤで仕方がなかった。なんでこんな面倒なことをしなくてはいけないのかと」

 

しかし、これがダンカンさんの救いとなった。

「洗っているうちにだんだん『もしかすると、これを綺麗に洗えたら、息子が守備でエラーしなくなるんじゃないか』『打てないボールが打てるようになるんじゃないか』と思い始めたんです。

その時に、『あれ、俺ってこんな性格じゃないよな。妻が俺の中に入ってきてやっているんだ』という変な気持ちになった。

だって、それまで洗濯なんてしたことがなかったから。それで、『妻はまだ俺の中で生きていて、応援してくれているんだ』と気づいたんです」

こうしてだんだんと気持ちがラクになっていったと語るダンカンさん。

伊集院氏もこう綴っている。

〈ともに生きたという事実、時間は、その人の身体の中に、いとしい人がずっと存在することなのである〉