ボードゲーム「カタン」がスマホARになって数学者の僕が考えたこと

第2のIngress?
安東 雅訓 プロフィール

ゲーム理論で考えると…

交渉によって資源を効率よく確保することが重要なゲームのため、他のプレイヤーとは良好な関係を築いておくべきなのだが、勝つための戦略として、あるいは数字7が出た場合(「盗賊」を移動させ、他者の資源産出を妨害できる)などにはどうしても他家の邪魔をすることになる。

黒いコマの「盗賊」が「森林」の資源産出を邪魔している photo by iStock
 

その際1位を狙うことが定石となるわけだが、いつものメンバーで遊ぶ場合にはそのプレイヤーが根に持つタイプかそうでないかでターゲットが変わるという、ゲーム理論でいう所のタカハトゲームやチキンゲームの様な現象も見られる。あいつは必ず仕返ししてくる、と思わせることができれば、その分狙われる確率は減るわけだ※2

チキンゲームについて少し解説を加える。2人対戦の度胸試しゲームで、チキンレースと言った方が分かりやすいかもしれない。崖に向かって車を走らせる場面を思い浮かべる人が多いと思うが、ゲーム理論ではお互いに相手の車に向かってアクセルを踏む。そのままいけば当然正面衝突してどちらも無事に済まず、これが互いにとって最悪の結果だ。ハンドルを切って衝突を避けることもできる。その場合には臆病者と呼ばれることになることになるが、衝突よりはまだましだ。自分はハンドルを切らず相手が避けてくれるのが一番良い結果で、自分に度胸があることを証明し相手を臆病者呼ばわりすることができる。

※2 仕返し優先で1位を独走させてしまえば、ゲーム終了時に戦犯扱いされることにはなる。