グレタ・トゥンベリ氏、国会デモ…「若者の社会運動」賞賛するリスク

若者を「代弁者」にしていないか
富永 京子 プロフィール

しかし、そのやり方が「賞賛」に還元されるのは望ましいとは言えない。自分より若い(弱い)人々を賞賛したいと思う欲求の中には、自分の理念を仮託し、語らせようとする欲望も含まれている。それは結局運動を批判する人と同じく「属性による評価」という論理を推し進めているだけで、社会運動が本来進めようとする社会的貢献に対しては逆効果になってしまう可能性もある。

 

では、年長者は「若者の社会運動」をどのように支援・応援していくべきなのだろうか。それは、若者たちが行っている社会運動の背景や経緯を知り、彼らの主張や議論内容に耳を傾け、たとえ理念・主張が自分と同じだとしても、自分とは異なる主体として社会運動をする若者を尊重することに他ならないと思う。

筆者がトゥンベリ氏の活動を知る際に、江守正多氏が執筆した記事「国連 気候変動スピーチで注目のグレタ・トゥーンベリさんについて知ってほしい5つのこと」が参考になった。とりわけ締めくくりの「筆者は、今後も彼らを尊敬し、見守り、機会があれば支援し、操らず、邪魔をせず、そして彼らと共に考え、共に行動したい」という一文は、トゥンベリ氏の試みに限らず「若者の社会運動」を支援する上で重要な心構えではないか。

【参考文献】
Juris, Jeffrey S., Bushell Elica G., Doran, Meghan, Judge, Matthu J., Lubitow, Amy, Maccormack, Byran and Prener, Christopher, 2013, “Movement Building and the United States Social Forum”, Social Movement Studies 13(3): 328-348.
Haug, C., 2013, “Organizing Spaces: Meeting Arenas as a Social Movement Infrastructure between Organization, Network and Institution”, Organization Studies 34(6): 705-732.

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