“臭い人”はなぜ責められねばならないのか~体臭と病気の真実

キーワードは「大腸」
木原 洋美 プロフィール

臭いを発するには理由がある

こうした流れが決定的になったのは、2013年、マンダムが30代から40代の男性の「ミドル脂臭」の原因として、新たな臭い成分「ジアセチル」を特定したことだった。この成分は、乳酸と皮脂が酸化してできる中鎖脂肪酸が結合することでつくられ、酢の120倍にもなる強い臭気だという(マンダム ニュースリリース 2013年11月18日より)。なんと口臭の1.4倍、足の臭いの1.5倍も臭いというのだが、本当だろうか。

 

近くにいる人が発する悪臭が原因で気持ちが悪くなったり体調を崩したりしてしまう「スメルハラスメント(スメハラ)」や、本当は臭くないのに、周囲の態度から自分は臭いのではないかと悩み、会社に行けなくなったり、外出できなくなる「逆スメルハラスメント(逆スメハラ)」が問題になったもこの時期だ。

昨今では、若い男性の発するニオイにまで「男脂臭」なるネーミングがなされ、男性は老いも若きも臭くてたまらないことになっている。確かに、運動部の部室は臭いが、「臭くてもいいじゃん」とはならないこの風潮、寛容性がなさ過ぎる。

腐った玉ねぎ臭は、その人が、精神的ストレスに耐えている証。おしっこ臭いのはヘロヘロに疲れるまで働いた証。加齢臭だって、長年生きていれば臭うのは当たり前。「なんら恥じることはないし、責められることでもない」と、多くの日本人が考え直し、もし、その手のきついニオイを発している人が近くにいたら「この人、大丈夫かな」と心配するようになったら、世の中もっと、生きやすくなるのではないだろうか。