だが、山口組は高山氏の服役中の2015年に分裂した。それだけに、再統一が宿願となっていた。
出所した高山氏は、早速、檄を飛ばした。かくして祝いの席は、まさに「7代目就任宣言」の場と化したのだという。複数の警察関係者の証言から、以下のような場面が展開されたことが明らかになった。
「たわけ!」
祝い膳に付けた箸を止めた高山氏は怒声を放った。口の中のものを吐き出す勢いで、側近を叱り飛ばしたのだ。
「来賓が少なくて申し訳ありませんが、何分、総本部さえも使えない有様で人が集まりにくいもので──」
そう詫びる側近の言葉をさえぎってのことであった。そして、高山氏はこう続けた。
「わしがいるとこが、本部じゃ」
まさに七代目宣言である。
さらに高山氏は、獄中から出した指示通りに物事が運んでいないことも叱責し、こう檄を飛ばした。
「入江(禎・二代目宅見組組長。神戸山口組の副組長)に組を戻させろ。それから寺岡(修・侠友会会長。神戸山口組の若頭)、正木(年男・正木組組長。神戸山口組総本部長)もだ。組を戻させて引退させろ。そうしないなら、戦争だ」