漫画家・かわぐちかいじ衝撃告白「長期休載の理由は、がんでした」

本日発売の「モーニング」で連載復帰
かわぐち かいじ

40年ぶりの休みかもしれない

── 具体的には、どんな闘病生活だったのでしょうか。

「すぐに入院してどうこう、ではなかったんです。放射線治療のためには、照射される放射線から頭を護るマスクを作るなど準備をしないといけないし、病院側の受け入れ体制も整わないといけません。だから、病気がわかって1ヵ月くらいはほとんど自宅にいました。仕事もなにもせず、ぼっーとしていましたね」

 

── かわぐち先生は、70年代から切れ目なく連載を続けています。一つの作品で連載が終わっても、別の雑誌では連載が続いていたりと、休まれた経験はほとんどないのでは?

「たしかに、20年ぶりくらいの……いや、もしかしたら30、40年ぶりの休みかもしれません。最初は、大手を振って休めると嬉しかったくらい(笑)。しばらくのんびりしようと思ったんです。でも、だんだん物足りなくなってくるんですよ。自宅でじっとしてたり、病室に籠もっていると。

治療中は、完全に仕事を手放して、とにかくひたすら休もうとしたんです。情報も何もいれず、新聞を少し読むくらいで、大好きな映画のDVDも見ず、本も読まない。漫画家という仕事は、エンターテインメントや情報が入っちゃうと、物語のことを考えてしまうから、休めないんです。仕事場は資料に囲まれているし、家でベッドでじっとしているのも辛いし、入院しているほうが気は楽かといえば、しかしどんどん仕事をしたくなってしまうんですよ。

できるかぎり情報を遠ざけようとしていたのに、休んでいると聞いた知り合いが『暇でしょ?』なんて本を差し入れに持ってくるんで、困りました(笑)」

── 病気や治療による体調の変化はいかがでしたか?

「いまとなっては、放射線治療、化学療法のダメージはそこまでひどくなかったと感謝していますけどね。体力もそこまで落ちなかったし。ただ、治療中はすごく眠くなって、一日15~16時間くらい寝ることはありました。やはり体はきつかったんでしょう。

それと、唾液の出方や味覚はおかしくなりました。まず、人工甘味料が気持ち悪くて一切ダメ。あとは酢の物ですね。酸味がだめになって、大好物の冷やし中華を食べても美味しくないのが辛かった。

放射線治療では、何回かにわけて照射を行うのですが、2回めのときには声が出しにくくなりました。でも、それくらいで済んで良かった」