写真はすべて筆者撮影

「北朝鮮=飢餓の国」という図式を疑うべきこれだけの理由

稲刈り真っ只中の農村を回ってみたら

サッカーの試合は取材できず

10月に北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)取材に行った。昨年に続き、今年も年3回の訪朝となった。10日の朝鮮労働党創建74年の祝賀行事と、15日のサッカーW杯アジア2次予選の北朝鮮と韓国との試合を取材するため13日間の滞在となった。

ちなみに、結論からいうと、サッカーの試合の取材は出来なかった。

 

入国してすぐにこの取材のための申請書類を提出し、記者腕章も渡されていた。私が宿泊している普通江(ポトンガン)ホテルの入口には、この試合のための英文での看板が試合2日前に設置され、盛り上がりを感じていた。

当日の午前10時に、試合会場の「金日成(キム・イルソン)競技場」を見下ろす凱旋門の屋上へ行ってみた。この試合のための看板や装飾はなく不自然に思ったが、ちょうどたくさんの警察官が競技場へ入って行くところだった。それを見て、試合の準備が行なわれていることを確信する。

ところがホテルで待機していた午後3時になり、「一切の取材ができない」との連絡を受けた。競技場の中だけでなく、その前での取材もダメだというのだ。試合そのものは放映権のことがあり撮影しても使用できないため、観客たちを取材する計画だったのだが……。

インターネットで無観客試合だったことをすぐに知ったが、テレビでの中継どころか試合に関する報道は一切なかった。0-0の引き分けになったため、翌日にでも編集したものが放送されるのではと思ったが、それもない。

17日に帰国する際、経由地の北京空港で元北朝鮮代表選手の安英学(アン・ヨンハ)氏を見かけたので声をかけた。すると実に残念そうな表情で「自分たちも競技場に入れなかった」とのこと。

そこまで徹底して試合を無観客にしたのは、米韓合同軍事演習や新兵器導入をする韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権を完全に無視する姿勢を示すためだろう。