日本企業はバカか…! いまこそ「終身雇用」が大切である決定的理由

ただし、徹底した完全実力も導入すべし
大原 浩 プロフィール

バフェットは終身雇用の実力主義

成果を上げる前に報酬を与えるのは、子供にゲームを買ってあげてから勉強しなさいと言うのと同じである。ゲームに夢中になって勉強しなくなる。順番が逆なのだ。

だからバフェットは終身雇用(しかも定年は104歳。詳しくは前述の「バフェットが実践する『実力主義の終身雇用』こそが企業を再生する」を参照)を実行しているが、「徹底した実力主義」でもあるのだ。

 

バークシャーグループの報酬(給与)の決定方式は極めて単純だ。バークシャー傘下の企業の経営陣は、毎年バフェットに対して経営計画書を提出し、その目標をクリアーしたらいくら、目標を超えたらさらに超えるごとにいくらというように、あらかじめ算定式で報酬が決められている。

つまり、彼らは仕事を始める前に、「自分がどれだけの成果を出したらどれだけ金銭的に報われるか」ということがすべてわかっている。傘下企業の従業員に対しても同じような方針で給与が決まる。

大事なのは「最初に報酬の基準を決める」ということである。そうすれば「自分が努力してもその成果がきちんと報われないかもしれない」という心配を排除し、「成果を上げなくても、社内の政治力でがっぽり報酬をいただく」というような動きを封じ込めることができる。

しかし、日本企業だけではなく欧米の企業でも、このように「明確に事前に」報酬決定を行っているところはあまりない。

事前に両者が納得したことであれば不満が出にくいが、後から報酬を決定するからそこに人間の「恣意性」が紛れ込み、対立を招き寄せることになる。