2019.11.08
# 欧州

ブレグジットが「前進」するウラで、次はEUが「崩壊」してきたワケ

ジョンソン首相の主張は正しい
大原 浩 プロフィール

現在の支持率トップである与党・保守党は、過半数の議席を取り戻した上で、2020年1月末までの新離脱案の承認を目指す。

それに対して、最大野党である労働党などの野党側は総選挙を「EU離脱を巡る『事実上の再国民投票』」と位置づけ、離脱方針の見直しや再国民投票を訴えている。

 

しかし、ここまでくるとブレグジットそのものは、「既定の事実」となっているのではないであろうか?

英国側だけでは無く、EU側も3年以上にわたる交渉でかなり疲れが見えている。特にEUの重要政策は「全会一致」が大原則だから、少数の反対派を説得して、全員が納得できる意見に調整するのには大変な労力が必要である。

3度目の延期についても、ブレグジット交渉に嫌気がさしているフランスなどの強硬派の反対で、交渉の延期が行われず無秩序離脱になる可能性もそれなりにあったのだ。

もっとも、ジョンソン氏は、EUの本質を見抜いていて、「10月末の無秩序離脱を振りかざせば、EU側も折れてくるし、国内の議会にも強く出ることができる」という読みがあったと思う。

事実、結果的に12月12日の総選挙という「実質的勝利」をジョンソン氏は勝ち取っている。

日本には「3度目の正直」という言葉がある。この人間心理は世界各国に共通だと思う。3回の延期まではぎりぎり許容範囲であるし、「もう後が無い」というプレッシャーから物事が進展する可能性が高い。

しかし、このチャンスを逃したら、「4度目の正直」はないであろう。

前述のように、野党側は、離脱方針の見直しや再国民投票を訴えているが、そのようなことはできないであろうし、もし実行したら無秩序離脱とは比較にならない大混乱が起こる。

国民のほぼ半数の「反対派」を抱えながらEUに残留することなど非現実的であるし、そもそもEU側も受け入れたくない。すでに述べたようにEUの重要政策は全会一致が原則だから、国内の意見もまとめられなく、かつ影響力が大きい国が残留するのは、はっきりいって迷惑なのだ。

労働党などの野党が、EU残留に強くこだわるのは、EUが左派・全体主義であり労働党などの野党と方向性が同じことから、何らかのEU利権があるのではないかと勘繰りたくもなる。

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