ナントカペイが乱立するいま「ポイント」にむしろ大注目が集まるワケ

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大原 浩 プロフィール

ポイントは実は物々交換に近い

再びお金の価値という話に戻ると、お金の「信用」とは「将来(自分が欲しい)何かと交換できることが保証される」ということである。

一番単純な物々交換は、クリスマス会のプレゼント交換のように、その場でお互いの商品をやりとりする方式だが、この方法には需要と供給のミスマッチなどの限界がある。そこで「今は交換するものが無いけれども、将来このお金(紙切れなど)と君の欲しいものを交換するよ」という「誓いの証」として通貨が発達したのである。

したがって、お金には「交換価値」を保証する機能がぜったいに必要なのだ。しかしながら、すでに述べた様に、「新しい決済手段」は結局この部分を政府に依存しているし、オープン型の仮想通貨はそもそも交換価値を保証する機能が無い。

 

現在でも「バーター取引」という物々交換制度はあるのだが、このシステムも実は、プレゼント交換会のような物々交換ではうまく機能しない。売却代金を「ポイント」として、一時的に保管して、将来必要な時に使えるということが、スムーズな運営に重要な要素なのだ。

バーター取引は、一般にはまったく普及していないが、我々の日常生活ですでになじみがある「ポイント」が実は、「将来の交換価値」=「物の裏づけ」を保証できる「新通貨」の最有力候補なのだ。

例えば、金本位制の時代、通貨は金との交換を保証されていた。1971年のニクソンショックまでは、ドルも金との交換を保証することによって価値を維持していたのである。

しかし、金本位制の復活は、極めて困難だ。まず、ケインズが指摘するように為替調整(為替レートが変動することによって、貿易赤字・黒字などを調整する)ができないし、金の保有量は決まっており、新たに産出される量も限定的だ。

しかし、物やサービスそのものを通貨の担保にすれば、極めて合理的だ。物やサービスの供給には、金のような制限がないし、そもそも人々が本当に欲しいのは、お札や金(宝飾需要はあるが……)ではなく、それらと交換される物やサービスである。

ジェフ・べゾス氏は、老獪なのか、そのようなことはおくびにも出さないが、アマゾンがあらゆる商品をそろえるように邁進しているのは、アマゾンポイントの「交換価値」=「通貨としての価値」をあげるためだとも考えられる。

気がついたら、いつの間にかアマゾンポイントが「新通貨」の中心的役割をになっているということは十分あり得る。

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