ニューヨーク、ブラジル…それぞれの国の「優しさ」

ニューヨークは、世界で最も多様性のある街です。性別、年齢、国籍、宗教、すべてが違う人ばかりが、一緒に生活しています。多様が当たり前だから、考えることが違うのも当たり前。だから、いちいち人に声をかけて手助けを押しつける人は少ないそうです。

でも、困っている人となれば、話は別だとか。こちらから「手伝って!」と助けを求めれば、快く応じてくれるそうです。道行くニューヨーカーたちは冷たかったのではなく、私たちが困っていなさそうだったから、気に留めなかっただけなんです。

自分から行動すれば、相手も応じてくれる。そんな考え方に、母は「こんなの初めてだけど、居心地は良いかも」と笑っていました。

メトロポリタン美術館の館内。奈美さんが車いすを押すとき、お母さんはナビを担当

同じ会社に勤める、車いすに乗っている人から、ブラジルへ行った話を聞きました。

ブラジルでは、車いすに乗っていると、地元の人たちが積極的に話しかけてきたそうです。「どこから来たの?」「ブラジルはどう?」「このバスに乗るの?」と、矢継ぎ早に声をかけてくるとか。もちろん、車いすのサポートもしてくれるのですが、その間もずっと会話が続いたと言います。

なぜこんなに良くしてくれるのかと尋ねると、地元の人は笑顔で「当たり前じゃない! ブラジル人だからね! アッハッハ!」と笑ったそうです。その話を聞いて私は、ラテンの陽気な気質じゃん……と納得しました。