noteの記事「車いすの母とミャンマーに行ったら、異国の王様だと思われた」が話題になった岸田奈美さん。

17歳の頃、母親が心臓の手術をきっかけに下半身麻痺になってしまい(詳しくは、「『ママ、死にたいなら死んでもいいよ』と下半身麻痺の母に言った日」を参照)、その時の経験がきっかけとなって、現在、ユニバーサルデザインの会社「ミライロ」で働いている。

奈美さんは車いすの母親との海外旅行で、「困っている障害者」に対する対応が国によってかなり違うことに気づいたそう。私たちは目の前で困っている人に、どのように接したらいいのか。色々な国の人々の「優しさ」を知った奈美さんが至った答えとは――。

実は日本は、北欧よりバリアフリーが進んでいる

私と母は時折、海外へ行きます。慣れない土地で、つたない言葉で、あれやこれやと奮闘した後、日本に戻ってくると必ず言います。

「やっぱり、日本のバリアフリーは最高やわ」

そうなんです、日本のバリアフリーは世界でも群を抜いてトップクラス。意外に感じる人も多いと思います。「北欧の方が進んでいるんじゃないの?」と、よく言われます。北欧は福祉の制度が充実していることで有名ですが、実は、古い城跡や街並みが残っていて、足下の悪い石畳の道も多いのです。

ニューヨークへ旅行にいった時のお母さん(左)と奈美さん

一方、日本はと言えば。皆さん、一歩外に出てみてください。道はコンクリートで綺麗に舗装されています。ほとんどの駅には、エレベーターやスロープがあります。それもそのはず、全国の駅の段差解消率(エレベーターや車いす用階段昇降機「エスカル」の設置)は92.3%。アメリカは48%、フランスは10%。比べれば、差は歴然です。

目が見えない人のための点字ブロックを発明したのも、日本。点字ブロックがたくさんある日本は、目が見えない人にとって天国だと言われるのも、うなずけます。

もちろん、すべてが外国に勝っているわけではないですが、日本ほど車いすで移動しやすい国はありません。車いすだけではなく、ベビーカーや杖でも同じでしょう。

でも、移動しやすいからと言って、暮らしやすいわけではないのです。