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中国共産党「4中全会公報」から見えてくる習近平総書記の苦悩

2035年までの長期政権は実現するか

4中全会の「公報」

先週、10月28日から31日まで、北京で「4中全会」が開かれた。正式名称は、中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議である。

中国共産党は5年に一度、西暦で末尾が「2」の年と「7」に党大会を開いていて、それ以外の年は、ほぼ年に一度、全体会議を開く。

「4中全会」の参加者は、全党員9059万4000人(昨年末時点)の上層部に君臨する党中央委員の202人、中央委員候補の169人、中欧紀律検査委員会幹部、各部大臣、各地方首長、人民解放軍幹部、司法幹部らである。10月1日に建国70周年の盛大なイベントを開いた直後であり、習近平政権がどんな方針を打ち出すのか、世界の中国ウォッチャーが注視していた。

 

過去の慣例によれば、最終日31日の夜、「4中全会」の決定事項を記した「公報」(コミュニケ)が、中国国営新華社通信から発表される。私も夕方から新華社通信のホームページを開けて待った。

すると、日本時間の18時51分、北京時間の17時51分に、新華社通信からチーンと(音が鳴ったわけではないが)速報が出た。私はもっと遅いと思っていたので、少し意外に思いながらも、目を皿のようにして約5000字に及ぶ漢字の羅列を見入った。

「公報」の正式名称は、「中国共産党中央委員会の中国の特色ある社会主義制度を堅持、完備させ、国家のコントロール・システムとコントロール能力の現代化を推進するという若干の重大問題に関する中国共産党中央委員会の決定」となっていた。

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最後まで読んで、思わず拍子抜けしてしまった。全体的に見ると、ずいぶんと肉痩せした「公報」だったからだ。

習近平時代にありがちな、もっと長大で肉厚の内容になると踏んでいたのだが、骨と皮のみ出しましたという感じだった。先送り、様子見、無難、淡泊……各所にそうした形容詞をつけたくなる筆致が見受けられた。

そんな中で、「公報」全体を包み込む筋肉とも言える単語が「社会主義」だった。数えてみたら、わずかA4用紙で3枚半の中に、42回も登場した。崇拝する「建国の父」毛沢東元主席が敷いた社会主義のレールを継承する習近平総書記の「ここだけは譲れない」という執念を感じた。

そんなわけで、当初は全文を日本語訳しようと思っていたが、一読したら戦意喪失してしまった。そのため以下、「人事」「経済」「香港」「台湾」という4つのテーマに絞って、思うところを述べていきたい。