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普及は秒読み? 電動キックボードが「日本の壁」を超える可能性

国の厳しい態度が一変、前向きに
森口 将之 プロフィール

同制度はモビリティのスタートアップに限ったものではなく、医療、金融、不動産などの分野が該当しており、パナソニックなどの大企業も名を連ねている。モビリティ領域では電動キックボードのほか、人力モードと電動モードを切替可能なハイブリッドバイクの自転車レーン走行実証、キャンピングカーの移動できない状態での空間活用に関する実証も選ばれている。

 

セグウェイの教訓

電動キックボードシェアの場合、事業所管省庁は経済産業省、規制所管省庁は国家公安委員会と国土交通省となる。警察庁を管理する国家公安委員会が関係していることは、新たなルール制定に向けた希望を抱かせる。経産省では適切な形で電動キックボードを公道で走行できる環境を実現し、短距離移動の効率化や観光客誘致などに貢献したいとしている。

こうしたプロセスはセグウェイの事例を教訓にしているように見える。

セグウェイは2003年に現在の輸入販売元とは別の会社が、警察の許可を受けずに一般公道を走行したことから、警視庁は輸入販売会社の経営者を書類送検した。同時にセグウェイを検証した結果、モーター出力は原付を超えて自動2輪車のレベルにあり、ブレーキや灯火類が装備していないことから整備不良と判断された。

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その後設立したセグウェイジャパンでは、公道走行は講習を受けたインストラクターによるガイドツアーの実証実験に限定しており、それ以外に空港や駐車場、スポーツ施設などでの警備などに用いている。公道走行に際しては小型特殊自動車に該当するため、普通自動車または普通自動2輪免許が必要となる。

海外はまず挑戦し、問題があれば修正するというプロセスが多いのに対し、日本は既存のカテゴリーに当てはめようとし、無理なら許可しないという方針が目立つ。セグウェイの一件は日本特有の事情が影響したものといえ、電動キックボードシェアの事業者はこの前例を参考に、慎重に歩みを進めているように見える。

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