# MaaS

普及は秒読み? 電動キックボードが「日本の壁」を超える可能性

国の厳しい態度が一変、前向きに
森口 将之 プロフィール

「規制のサンドボックス制度」

では日本はどうか。厳密には日本でも電動キックボードのシェアリングは存在する。そのひとつが、さいたま市や千葉市で展開しているWindだ。ドイツのWind Mobilityが2018年に日本法人を設立し運営している。

他の多くの国の電動キックボードと違うのは、原付のナンバープレートや灯火類がつき、ヘルメットが袋に入って用意してあることだ。つまり原付扱いとなる。もちろん運転免許が必要で、交差点での2段階右折などのルールも適用される。

埼玉県・浦和美園駅構内に設置された電動キックボード(筆者撮影)

少し前、埼玉高速鉄道浦和美園駅にあるWindのステーションを訪れた。借りる人を見かけなかったのは、平日の日中ということだけが理由ではなかったはずだ。原付免許を持っている人はそれなりにいると思うが、ヘルメットに抵抗を感じる人が多いことは、ヘルメット不要の電動アシスト自転車が普及したことで、原付の販売台数が大幅に減少していることを見れば容易に想像できる。

ナンバーなしで自由に乗れること目指す日本の事業者もある。2018年創業のLuupはそのひとつで、公園や河川敷、イベント会場などで実証実験を重ねている。今年5月に設立された、国内の主要な電動キックボード事業者をメンバーとするマイクロモビリティ推進協議会の会長は、同社代表取締役社長の岡井大輝氏が就任している。

 

ところが電動キックボードシェアについては、他の新しいモビリティサービスとは違う動きが出てきた。政府の成長戦略のひとつである「規制のサンドボックス制度」にLuupとmobby rideの2社が10月17日に認定され、大学構内の一部区域を道路と位置づけ、規制改革を行うための情報を収集していくことになったからだ。

規制のサンドボックス制度とは、新しい技術やビジネスモデルの導入が現行の規制では難しい場合に、事業者の申請に基づき、規制官庁の認定を受けた実証を行い、そこで得られた情報やデータを用いて規制の見直しにつなげていくものだ。資料には「まずやってみる!」という、これまでの日本ではあまり見られなかった文言を見ることができる。

関連記事