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普及は秒読み? 電動キックボードが「日本の壁」を超える可能性

国の厳しい態度が一変、前向きに
森口 将之 プロフィール

爆発的普及を遂げる「電動キックボード」

やはり米国発祥である電動キックボードのシェアリングもそのひとつだ。ちなみに米国ではこの乗り物をe-scooterと呼ぶことが多いが、日本で電動スクーターというと2輪車のスクーターの電動版を指すことが多いので、ここでは電動キックボードという表現を使う。

この業界のパイオニアは、2017年の創業ながらユニコーン企業に急成長したBirdとLimeで、前者はわずか1年で2000億回以上の利用を達成し、現在は米欧と中東の100都市以上に展開している。

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当初はバイクシェアのみだったが途中から電動キックボードを追加した事業者も、米国Jump、エストニアBoltなどがある。前者は現在Uberに組み込まれ、後者は欧州やアフリカなど34ヵ国で展開している。

電動キックボードは安いものでは2~3万円からある。100万円前後するセグウェイとは大差がある。セグウェイは2輪でありながら自立するなどハイテクを駆使した乗り物で、その分高価になった。シェアではそこまでの付加価値は必要ではなく、安価に利用できるほうが大切であり、電動キックボードのほうが向いている。

 

しかも海外の電動キックボードシェアは、日本のバイクシェアのようなポートを持たないドックレス方式なので、インフラ整備も不要だ。さらに画期的なのは、電動車両に不可避な充電作業をも有料でユーザーに依頼していることで、これを収入の糧とする市民も存在する。

歩行者との接触や車両放置などの問題がないわけではなく、パリでは歩道走行を違反とするなどルール新設の動きもある。それでも世界各地で爆発的に普及しているのは、モビリティサービスとしては先行投資が少なくて済む割に、多くの人にとって利便性の高いサービスであることが大きい。

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