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4歳の少女が天国の神様に手紙を書いたら「すごい返事」があった話

神さま、ワンちゃんをよろしく
橋爪 大三郎 プロフィール

「子どもがいるのは両親がいるから」ではない

もうひとつ、注目のポイントは、神さまからの返事に、「あなたのお母さんはすてきですね。私があなたのために、特に選んだんだよ」とあるところ。

家族のみんなより先に、まず、神さまがいる。神さまが、メレディスを造った。そして、メレディスのために、母親を選んだ。神がすべてを創造したというキリスト教の基本が踏まえられている。そして、4才のメレディスにもわかるだろうと考えられている。

これは、空気のように当たり前の考え方なのだ。

 

日本なら、子どもがいるのは両親がいるからだ。ほかの他人は、神さまだろうと、親子の間には入り込めない。「あなたのために、すてきなお母さんを選んでおいたよ」という神さまのせりふは、日本人の口からは出て来ないだろう。

キリスト教の考え方では、家族は、ばらばらな個人の集まりである。そして、役割の束である。メレディスや、ジョンやメアリーが、それぞれ神さまに造られた。そして、神さまの命令で、父親や母親や子どもの役をやっている。家族は、神の命令で、子どもと親が一緒に暮らす場所なのだ。

この話には、いろいろなヴァージョンがあって、いまもウェブ上を拡散している。最初私は、英語で見たのだが、日本語に訳されたものも出回っていた。

ちょっとしたエピソードから見えてくる、キリスト教とアメリカの人びとの心の深層。いかがでしたか。

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