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休みは年間1日…テレビ業界没落、下請け「超絶ブラック労働」の実態

「貧すれば鈍する」とは、このことか

テレビの凋落が著しい。広告費でネットに猛追される中、番組の質の低下が進み、若者を中心にさらなるテレビ離れを加速させている。

背景には、キー局社員の高給を維持しようとするあまり、下請け制作会社にしわ寄せが集中する構造がある。ネットテレビが軌道に乗り始めたことによって、有能な人材の流出も本格化している。

 

テレビ局スタッフ「炎上続発」の理由

「1年に1日しか休みがないなんて……まるで奴隷ですよ」

キー局の下請け制作会社に勤め、現在は別の業界に転職した20代男性はこう振り返る。テレビ番組の制作現場の実態を、彼が解説してくれた。

「私の勤めていた会社が担当していたのは、いわゆる情報番組です。グルメやスポーツ、歴史モノまで幅広いテーマで番組を制作していました。

何がきついかといって、とにかく休みがないこと。毎回毎回テーマが違うので、一から調べないといけない上、ゲストの世話などでとにかく拘束時間が長い。番組の編集作業や確認作業をしていると、あっという間に夜中になってしまいます。

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私は新卒で入社し、報道のテレビディレクターになりたかったのですが、入社して5年間、仕事はほとんどゴミ出しや弁当の手配、買い出しなどの雑用でした。もちろん制作現場にいること自体は勉強になるのですが、やりたい仕事とは程遠い。

それなら、もっと早く辞めればよかったのにと言われるのですが、人間、過酷な環境にい続けると思考力が麻痺してくるんですね。将来の展望を考えるよりも、毎日目の前の仕事を乗り切るのに必死で……。

最近はよく災害の被災地や事件現場で、テレビのスタッフが失礼なことをして炎上しています。あれも局からのプレッシャーの中、指示された映像を無理にでも撮ろうとした下請けが追い込まれた結果、起きてしまうことなんです。