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「ホームレスは臭いから排除」と言う人が抱えている「強烈な不安」

支援活動に携わる私が見てきたもの

東日本に甚大な被害をもたらした台風19号が接近していた10月12日の午後、台東区の自主避難所で路上生活者が区職員によって受け入れを拒否されました。

この事件をめぐっては、国会で安倍晋三首相が対応の不適切さを(間接的に)認め、その後台東区長が区議会で謝罪と対応の改善についての答弁を行うなど、世間の注目が集まりました。

この事件について最初に知ったとき、私は驚きと憤りの感情を覚えましたが、すぐに、でも待てよ、考えてみれば、「例のやり方」ではないかという既視感めいた感覚も覚えました。

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「住所はどこですか」という巧妙な問い

私は都内の支援団体で生活困窮者への支援活動に携わっていて、ホームレス状態にある方の生活保護利用申請に同行することがよくあります。

申請はたいてい区役所内の生活福祉課などと呼ばれる課の窓口や相談室で、相談員による聞き取りなどを経て行われるのですが、それに先だって受付で相談を申し込みます。ただし、区によっては受付近くに案内係を置いていて、その人から来所の目的を尋ねられるのですが(申請するまでに3つのステップがあるということです)、そこで「例の問い」が発せられるのです。

支援者然としたノーネクタイの私と、大きな荷物を抱えた申請者(とおぼしき)人物の姿が目に入ると、案内係の顔には緊張が走ります。