英語だけじゃない…大学入試改革の「国語記述式問題導入」の害悪

誰も幸せにしない「改革」
おおたとしまさ プロフィール

5段階評価の判定方法が複雑怪奇

2017年12月、「大学入学共通テスト」の1回目のプレテスト(試行テスト)が公開されると、特に記述式が出題された数学と国語に注目が集まった。おおむね好評だったが、「問題のレベルが、一部の上位層にはちょうどいいが、それ以外の高校生には難しすぎるのではないか」という意見もあった。実際、国語の記述式問題では完全正答率が0・7%の問題があった

 

2019年4月4日、大学入試改革に取り組む大学入試センターは、2回目のプレテストの結果を発表した。

国語の80〜120字の記述式問題の完全正答率は、1回目のプレテストでは0・7%だったが、2回目には15・1%まで上昇した。解答のために必要な条件を、問題文の中でわかりやすく示したことが功を奏した。しかし条件に一致する文章を作業として作文するだけであるならば、膨大な費用と手間をかけて記述式問題を導入する意味があるのかという疑問が生じる。

自己採点にも課題が残った。国語の記述式問題における自己採点不一致は約3割にも上った。受験生は自己採点をもとに最終的な出願先を決めることになる。自分の本当の点数がよくわからないまま志望校をどこか1つ選ばなければならないとすれば、ほとんどギャンブルだ。

しかも、国語の記述式問題の結果を合否判定においてどのように使用するかにも、大学によって幅がある。というのも、国語の記述式問題に関しては、3問の結果の総合でA〜Eの5段階評価が、マーク式の200点満点とは別に付記される形になったからだ。その判定方法がこれまた複雑怪奇なのである。

80~120字の解答を記述する問3の採点基準 「大学入試センター」ホームページより
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いくつの条件を満たしているかによってa〜dの4段階の評価を付ける
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記述式問題3問すべてについての4段階評価をかけ合わせてA~Eの5段階の総合評価を付ける 「大学入試センター」ホームページより
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