「楽園のドイツ」は消えた

働き始めたレストランではサービス残業あたりまえ、学生は就職のために6週間、フルタイムで「インターン」という名の無償労働をするのがふつう。医療費がほとんどタダとはいえ、病院の予約がとれずに門前払いされることも。ドイツ語を話せない清掃員や洗い場の人に冷たい態度をとるドイツ人もいた。

あれ? 楽園は……?

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わたしのように大学卒業後ドイツに移住、語学力が足りず日本レストランで低賃金労働するしかない人。現地でドイツ人と結婚したはいいものの、目標も目的もなく専業主婦になり、たまに語学学校に行くだけの生活に虚無感を覚えて悩んでいる人。ドイツに難民が流入し家賃が上昇、社会問題レベルの家不足になり家が見つからず帰国した人。

キラキラした海外生活とは真逆の、厳しい現実の壁にぶち当たった人を何人も見てきた。わたしだって、いまは運良くライターとして生計をたてられているけれど、ドイツでは就活も学位取得も失敗しているのだから他人事ではない。

就職に失敗した雨宮さんはカフェでも仕事をしたが、そこでもなかなか大変だったという Photo by iStock

……と、こうやって現実をいろいろ知ってしまうと、もう「ドイツが楽園」だなんていえない。

ドイツで挑戦し、失敗し、人と出会うことで、ドイツへの印象や考えは、日々変わっていった。